映画やドラマの感想です
★★★★★ゆきゆきて、神軍 1987
2016-12-24 Sat 22:00
監督:原一男
出演者:奥崎謙三
収録時間:122分
レンタル開始日:2006-04-21

Story
『うなぎ』の今村昌平が企画する異色ドキュメンタリー。天皇に向けパチンコ玉を撃った過去を持ち、過激に戦争責任を追及し続けるアナーキスト・奥崎謙三。そんな彼が、ニューギニア戦線で起きた疑惑の真相を探るべく、当時の上官を訪ね歩く姿を追う。 (詳細はこちら

※※※ネタバレ要注意&衝撃的内容注意※※※

凄惨を極めたニューギニア戦ので終戦後23日も経ってから、
敵前逃亡の罪で二人の兵士が射殺された事件の真相を追う
ドキュメンタリーです。

もう衝撃的内容で傑作と呼ばれる戦争映画が束になってもこの
衝撃度や得られるものはない気がすると思うほどです。


その衝撃的話というのは、なんとも腑に落ちない終戦後しばらく
経っての敵前逃亡ですが、実は当時のその辺りの凄惨な戦場では
人間を代用豚と称し、黒人は黒豚、白人黄色人種は白豚と呼び
食べていたというのです。

そして、より位の低い兵士が順番にその対象にされていたという
のです。

これだけ聞くととんでもない妄想から生まれた話ともとれます。


劇中でも、真相を話せと迫る側は、被害者の兵士の妹が霊媒師
であったり、中心的に追求する奥崎氏は正常な考えではないので
は?と疑ってかかるところですが。

追求される側の処刑した人の一人。皮肉にも料理屋を経営して
いて物腰が柔らかい、人の良さそうなお爺さんの口から、代用豚
として食べていた話が出てきます。

このシーンを見てやっと、どうやらとんでもない妄想と言うわけ
でも無さそうだと思いました。

もちろん今でこそとんでもない妄想だけど、今でも人を食す習慣が

あるところも極一部にあると聞きますし、場所や時代によっては
当たり前なんですよね。


衝撃の部分はその代用豚の話ですが、この作品の中心はやはり
人の忘れたい、目を背けたいことと、被害者側からの真実を
知りたい、無念を少しでも晴らしてあげたいという気持ちの対峙
でしょう。

加害者側が並び立てる教えない根拠というのは通常では問題なく
正論として通るのに、被害者側の知らなければならないという
強い信念と向き合ってしまうとあまりにも脆く、ただの加害者側
の都合のいい自己防衛に過ぎないということが露呈されます。

真実を教えてもらう、そんな単純なことでさえ、忘れたい、
目を背けたいという人には、時にとても残酷な行為だという
こともよく分かりました。


奥崎は粘り強い説得力という点においては尊敬できますね。
自分ではあそこまで粘り強く話なんて出来ないと思いました。
それだけ強い精神力、それを作り上げる動機があったということ
でしょう。

彼はどちらかというとやましいとされる過去を持っているのであの
活動は彼が自身の存在意義を求める活動でもあったと思います。


大きな黒塗りの仰々しい威圧感のある車ではなく風が吹いたら倒れ
てしまうんじゃなかろうかというほどの小さい車で、集団でもなく
威圧感を見せようというのでもないのも好感が持てました。


今まで、靖国神社の参拝に対する怒りや天皇が全く責任を負わない
とする怒りについてはよく分からなかったけど、ほんの少しだけ
理解が深まった気がします。(同意するということではなく)


個人的には革命(戦争)って無くならないと思うんですよね。
組織って腐っていくものだから。金は金を呼び権力は権力を呼ぶ
わけで、残念ながら自浄する力は無い。

陰湿ないじめで被害者が時に爆発を生み出すように。

けど一方でそれを抑止しうる戦争を反対する力。それは戦争が
どんなに酷いものであるかを知ることなんだなと改めて思いま
した。

罪も無い部下を殺して食べたいか?食べたくなければ暴力以外
の方法で改善していかなければいけませんので。

(実際に上記のような事実があったと決め付けるものでは全く
ありません。)
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